COLUMN読みもの

考えを伝えて繋がるアート

コラム

8月中旬に瀬戸内国際芸術祭2019に行ってきました。
瀬戸内海の島々を巡り、素晴らしいアート作品の数々と、美しく豊かな自然、奥深い歴史のある島文化を満喫してきました。
 
瀬戸内国際芸術祭2019 女木港のカモメのアート

女木島港のアート作品「カモメの駐車場」(木村崇人)

 

海の復権、希望の海

キラキラと穏やかに煌めく瀬戸内海。

春、夏、秋の三季に渡って開催されている瀬戸内国際芸術祭は、3年ごとに開催されるトリエンナーレで今回で4回目です。
私は今回が初めてで、男木島、女木島、小豆島、大島、屋島、四国村を三日間かけて巡りました。
アート作品を絞り、時間の許す限り密度濃く、アートと島々を体感してきました。

 

瀬戸内国際芸術祭のテーマは「海の復権」です。
日本の高度経済成長期からバブル経済を経て、瀬戸内の島々の文化・社会が疲弊し衰退してきた現実を真剣に考え、芸術祭を通じて国内外の多くの人が訪れ、島の人々や歴史・文化とふれあい、瀬戸内が地球上のすべての地域の「希望の海」になることを目指して開催されています。

 

アート作品も、国内外の一流アーティストが、瀬戸内海や島のこと、文化や歴史的背景などを理解し、地域の住民と交流しながらアート作品を制作しています。
私たち見る側は、そのアート作品と対峙し、作品に込められた文脈を探り、深く考えることによってアーティストと繋がり、そして瀬戸内海と繋がります。
作品に込められた「希望」を感じることで、瀬戸内だけでなく、共通の課題を抱えている世界各地のことにも考えが及んでいきます。
世界でも根深い「差別」という社会課題を気づかせ、提示してくれた大島のハンセン病隔離の歴史は、暗く、重く、深くて冷たい印象を残してくれました。

 

写真撮影も許可されていますので、instagramにもたくさん投稿されています。#瀬戸内国際芸術祭2019でタグ検索をすればたくさんの写真が見られます。
私もベルギーのアーティストで、ハンス・オプ・デ・ピークさんの「静寂の部屋」という作品の一部の写真を投稿したところ、なんと、本人のハンスさんから「いいね」と「ありがとうの絵文字」メッセージをいただきました!鳥肌が立つほどビックリしましたが、instagramを通じて繋がる実感をしました。ホントにびっくりしました。


梅田店で行われたワークショップ

池田屋店舗などで行われる子ども思いの森ワークショップ。

 

子ども思いの森に込められたテーマ

池田屋でも3年前から、子どもたちの生きる力を育む取り組みをしています。
「子ども思いの森」です。

 

子ども思いの森は、子どもたちの「考えるちから」「伝えるちから」「繋がるちから」を育み、「生きるちから」づくりをサポートする取り組みです。
どんな事をしているかというと、物作りやダンスなどのワークショップを池田屋の各店舗などで定期的に行なっています。
決められたテーマに沿って、子どもたち自身が考え、感じた事を表現し、お互いを共有しながら作品づくりをしています。

 

実際の子どもたちは、私たちが考えていることなど気にせず、作品づくりに夢中になってくれます。
子どもたちを見ていると、本来、人間が持っている創造する力を素直に表現しているので、これはまさしくアートなのではないかと思えてきます。
瀬戸内国際芸術祭に限らず、すべてのアート作品も順位や優劣があるわけではありません。何かを感じることがアートとの向き合い方だと思いますので、子どもたちの表現したものから感じられるものもアートだと思っています。

 

多くの人が大人になっていく過程で、純粋さを見失いがちですが、子どもの頃に何かに夢中に取り組んだ事は、決して小さくない生きる力になっていると思います。
私はデザインという仕事に長く携わっていますので、子ども思いの森を通して接する子どもたちの姿勢から、多くのことを学んでいます。
何かを創造する上で、「考えるちから」「伝えるちから」「繋がるちから」の大切さを、私自身、子どもたちから教えられています。

 

「希望の子どもたち」ですね。

 

これから秋から冬にかけて、池田屋ではいろいろなイベントを予定しています。
子ども思いの森のワークショップや、らんさんぽなど、親子で楽しめますので、ご興味がありましたら応募してください。
イベントのお知らせなどは、子ども思いの森Webサイトで告知しますので、下の子ども思いの森バナーからアクセスしてください。

 

芸術の秋です。瀬戸内海の秋もきれいだろうなあ...。
 

子ども思いの森

子ども思いの森